大企業のインターンシップがくれるのは、履歴書に書ける社名と、きっちり区切られたプロジェクトの範囲です。スタートアップのインターンシップは、それ以外の全部をくれます。
先にバイアスを白状しておくと、私のキャリアはほとんど小さな会社で、いまも小さな会社で開発チームを率いています。それでも、学生に「どっちのインターンにすべきですか」と聞かれたら、ほぼ毎回、小さくて泥くさいほうを勧めています。
スタートアップと大企業のインターンを比べると#
並べるとこうなります。ここから先は、その長いバージョンです。
| スタートアップのインターン | 大企業のインターン | |
|---|---|---|
| 仕事の範囲 | 機能のリリース、顧客との会話、企画会議。プロダクトもマーケも運用も、同じ週に全部やることも | 範囲がきっちり決まったプロジェクト |
| メンター | 専任のメンターはいないかもしれないが、たぶん創業者の隣で働ける | 体制は整っているが、CEOには一度も会わないかもしれない |
| 給料 | たいてい安い | たいてい高い |
| 組織 | 最小限でフラット。承認の段階がなく、何をやるかに本当に発言権がある | 体制が決まっていて、リリースまでに承認の段階がある |
| 履歴書に書けるもの | 実際にプロダクトに出ている、自分が作ったもの | 誰もが知っている社名 |
| 内定につながるか | つながりやすい。成長中のスタートアップは人手不足で、一緒に働いた人を採りたがる | 可能性はあるが、決める人との距離が遠い |
仕事が本物です#
社員10人の会社には、つまらない仕事を押し付ける相手がいません。インターンが機能をリリースし、顧客と話し、企画会議にも参加します。プロダクトもマーケもオペレーションも触ることになり、同じ週に全部やる日もあります。ごちゃごちゃしていますが、その分だけ成長は速いです。
さらに良いのは、自分の作ったものが実際に世に出ることです。プロダクトの一部を指さして「これ、自分がやりました」と言える。何かを作って、人が使っているのを見る。このループはクセになりますし、大企業がインターンにここまで触らせてくれることは、まずありません。
実利もあります。成長中のスタートアップは常に人が足りず、創業者は「すでに一緒に働いたことのある人」を採りたがるものです。良いインターンシップは、気づけば内定に化けていることがよくあります。
創業者を間近で観察できます#
大企業では、CEOに一度も会わないまま終わることもあります。スタートアップなら、たぶん隣に座っています。どうやって意思決定するのか、プレッシャーをどうさばくのか、全部が緊急に見えるときに何を優先するのか。教科書には載っていないものを、毎日見られます。
フラットな組織は両刃でもあります。リリースまでの間に三段階の承認は挟まらないので、何にどう取り組むかについて本当に発言権があります。その代わり、誰も手取り足取り教えてはくれません。この環境で伸びる人もいれば、怖くなる人もいます。申し込む前に、自分がどちらかを知っておいて損はないです。
正直なデメリット#
給料はたいてい安いです。体制は最小限。専任のメンターはいないかもしれませんし、会社そのものが2年後に存在しない可能性もあります。そこをごまかすつもりはありません。それでも、ビジネスが実際にどう回っているのかを内側から学びたいなら、これより速い方法を私はまだ知りません。
